「岡田晟」はどのような作品を生み出したのでしょうか。
今回は、「岡田晟」のお勧めの作品を紹介します。
「岡田晟」について簡単に説明
「岡田晟」とは、山梨県甲府市出身で、1913年生まれの漫画家です。
甲府商業高校を卒業後、明治大学商科に進学しましたが、中退しました。
戦前から漫画の仕事に携わり、戦時中は映画会社で教育用アニメを製作しました。
戦後は進駐軍相手の似顔絵描きや貸本漫画家として活動しました。
つげ義春の『白面夜叉』、『涙の仇討』、『愛の調べ』の表紙は、岡田の手によるものです。
岡田晟は、戦後の貸本漫画の黎明期に活躍した漫画家の一人で、田河水泡の門下生として多くの作品を発表しました。
怪談物の発案者としても評価されており、ひばり書房の怪談シリーズに影響を与えました。
また、少女漫画にも注力し、金田君子や滝田ゆう、望月あきらなどの漫画家をデビューさせました。
「岡田晟」のお勧め
「岡田晟」のお勧めの商品を3種類紹介します。
「白面夜叉」
つげ義春の貸本漫画の1つです。
この作品は、岡田晟が表紙を描いたことで知られています。
白面夜叉とは、中国の伝説に登場する鬼神の一種で、白い顔と赤い髪を持ち、人間の肉を食べるとされています。
つげ義春は、この白面夜叉をモチーフに、人間の欲望や狂気を描いた物語を展開しています。
白面夜叉は、つげ義春の代表作の1つであり、彼の作風の特徴である不条理さや暗さが際立っています。
「涙の仇討」
つげ義春の貸本漫画の1つです。
1949年に発表されたこの作品は、戦争で父親を失った少年が、復讐のために敵国の将校を殺そうとするというストーリーです。
しかし、その将校は実は少年の父親の友人であり、彼を助けようとしていたことが明らかになります。
少年は自分の行為を後悔し、涙を流しながら許しを請います。
この作品は、戦争の悲惨さと人間の葛藤を描いた感動的な物語です。
岡田晟は、この作品の表紙絵を担当しました。
「愛の調べ」
つげ義春が1958年に発表した貸本漫画です。
岡田晟はこの作品の表紙を担当しました。
この作品は、戦後の日本の貧困と苦悩を描いた社会派の物語で、主人公は妻と子供を養うために、自分の愛する音楽を捨てて、不正な商売に手を染めることになります。
しかし、その商売が原因で、妻と子供を失い、自殺を図るという悲劇的な結末を迎えます。
まとめ
「岡田晟」の作品は、現在ではほとんど入手できないものが多いですが、一部は復刻されています。
岡田晟の漫画は、モダニズムの影響を受けた独自の画風と、人間の心の闇や葛藤を描いたドラマチックなストーリーが特徴的です。
岡田晟は、日本の漫画史において重要な役割を果たした漫画家の一人と言えるでしょう。