「一ノ関圭」はどのような作品を生み出したのでしょうか。
今回は、「一ノ関圭」のお勧めの作品を紹介します。
「一ノ関圭」について簡単に説明
「一ノ関圭」とは、秋田県出身で、1950年生まれの日本の漫画家です。
歴史を題材にした作品を得意としています。
東京藝術大学油絵科を卒業しました。
大学在学中に投稿した「らんぷの下」が第14回ビッグコミック賞を受賞し、漫画家デビューしたことで知られます。
一ノ関圭の作風は、江戸・明治を舞台に、歴史の波に埋もれた人物の懸命な生き様を描く骨太なもので、驚異的な画力と構成力で知られています。
彼女の代表作には、「茶箱広重」、「裸のお百」、「らんぷの下」などがあります。
また、「舞茸」では白土三平と原作コンビを組みました。
「一ノ関圭」のお勧め
「一ノ関圭」のお勧めの商品を3種類紹介します。
「茶箱広重」
短編漫画作品集です。
表題作は、二代目歌川広重という浮世絵師の波乱に満ちた人生を描いています。
二代目広重は、初代歌川広重の弟子で、養女のお辰と結婚して広重の名を継ぎましたが、後に離婚して横浜に移り住みました。
そこで、外国輸出用の茶箱に貼るラベル絵を描くようになり、人々から「茶箱広重」と呼ばれるようになりました。
一方、弟弟子の寅吉は独立して二代目広重を名乗り、初代の作風を受け継ぎました。
このようにして、二人の広重が生まれたのです。
この作品は、浮世絵の歴史や文化を背景に、二代目広重の苦悩や葛藤を感動的に描いています。
「裸のお百」
1978年にビッグゴールドという雑誌に掲載した短編漫画です。
この作品は、江戸時代の女性画家・お百の生涯を描いたもので、彼女が幼い頃から絵を描くことに情熱を注ぎ、男性に負けない才能を発揮していく様子が描かれています。
お百は、自分の絵を認めてくれた画家・鳥居清信と恋に落ちますが、彼は既婚者であり、お百はそのことを知らずに身を投げます。
その後、お百は清信の妻によって絵筆を折られてしまいますが、それでも絵を描き続けることを決意するという作品です。
「らんぷの下」
一ノ関圭のデビュー作であり、第14回ビッグコミック賞を受賞した作品としても知られます。
明治時代の西洋画家、青木繁をモデルにした天才画家と、彼に憧れる若き画家との間に起こる恋愛や葛藤を描いています。
青木繁は実在の人物で、日本西洋画の黎明期に活躍した画家です。
まとめ
「一ノ関圭」は、寡作で、長期間にわたって作品を発表しないことから「幻の作家」と呼ばれることもあります。
しかし、2015年に24年ぶりの新刊として「鼻紙写楽」を出版し、翌年には手塚治虫文化賞と日本漫画家協会賞のダブル受賞を果たしました。
「鼻紙写楽」は歌舞伎と浮世絵をテーマにしたミステリーで、2017年から新シリーズが連載されています。
一ノ関圭は多くの漫画家に影響を与えた人物でもあります。
実際に、沙村広明や雲田はるこ、松田奈緒子などは彼女のファンを公言しています。
ぜひ、さまざまな漫画を生み出す一ノ関圭の作品に触れてみましょう。
